2022/08/04 23:36

令和4年産の稲の収穫が近づいてきました。

すると、いま食べている令和3年産のお米が急に「古米の風格」をあらわしはじめます。

ちょっとまちなさい!まだ稲刈りも始まってないんですよ!
令和3年産のお米さん!あなたはまだ古米ではありません、思い出しなさい!

ひととおり令和3年産の米に説教して、
「古米でもおいしく炊けるお米の炊き方」をやってみましょう!

・お米350グラムで説明します。

お米は1合カップで測らずに「グラム」で測ることをおススメします。

同じ1合カップにで測った米でも新米の時は重く、時間が経つにつれて軽くなっていきます。
それは、お米の中の水分が時間とともに抜けていくからです。

新米の1合と、古米の1合を同じ水の量で炊いた場合、
新米は水分が多いのでべちゃっとした感じに、
古米は水分が少ないので少し硬めに炊き上がります。
これは経験したことがあるのではないでしょうか?

年間を通して、同じ炊き上がりにするには、「グラム」で測って炊くのが一番カンタンです。


秘訣その1、お米を研いだあと、氷水に浸してお米に水を吸わせます。
(あまりにも室温が暑い時には、冷蔵庫の中で浸水させましょう。)

お米は、低い温度でゆっくりと時間をかけて浸水させることで、ふっくらおいしく炊き上がります。

わたしは6時間ほど浸水させています。
急いでいる時にはもどかしいですが、透明感のあるお米が真っ白になるまで水を吸わせます。


ざるにあけて水を切ります。

米をお釜に入れてキッチンスケールの上に乗せて「0」表示にします。


秘訣その2、まず氷を入れます。


次に水を入れます。

米350グラムに対して水385グラムです。

古米の総重量に対して、水を10パーセント多く入れます。
(わたしは、かためのご飯が好きなのでこの割合です。逆に新米の時は5パーセント減らします。)

秘訣その3、米と水と氷をよーく撹拌します。

お米の甘さは、ざっくりと2種類です。
お米自身が持つデンプン分解酵素(アミラーゼ)によって米のデンプンが糖化した甘みと、
口の中でよく噛んだ時に唾液に含まれるアミラーゼが米のデンプンを分解した甘みです。

お米のアミラーゼは、40℃から60℃の温度帯でいちばん活性化します。
つまり、沸騰するまでの時間をなるべく長く保ってあげることで甘いお米を炊こう!ということです。


つやつやとしたご飯が炊き上がりました。

君はまだ古米じゃない、まだまだ頑張れるぞ、令和3年産!

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わたしは、炊飯器を使ってこの方法でご飯を炊いていますが、炊飯器メーカーでは推奨していません。

炊飯器メーカーは、氷を使って炊くというデータを検証していないため、
氷を使うことで本来の炊飯器の性能を発揮できない・阻害する可能性がある、と回答しているようです。

特に高級炊飯器では、詳細にプログラムされた丁寧な炊き方が存在すると思われるため、
炊飯器に既存のコースで炊く方がおいしく炊き上がるかもしれません。

土鍋やル・クルーゼ等の鍋で炊く場合には、氷は有効であると思います。
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